1. 迅速な診断:初診の日にマンモグラフィ・超音波検査などを行い乳がんか否かなど迅速な診断を行います。針生
 検・マンモトーム生検など切らずに組織診断を行います。

2. 根治性・quality of life(QOL)重視:鏡視下手術・同時再建・センチネルリンパ節生検によるリンパ節郭清省略な
 どにより根治性とQOLを兼ね備えた治療を行います。また、大きな乳癌でも手術前に抗癌剤治療を行えば温存手
 術が可能になります。

3. インフォームド・コンセント:十分な説明の後に患者さまに診療の方針を選択していただきます。
■診療内容
@マンモグラフィ
 乳房を挟んでレントゲン撮影を行います。自己検診や医師の診察で発見できない早期の乳癌を発見できます。最新の器機で行いますのでレントゲンの量は極めて少なく、自然に浴びるレントゲン量(関空〜ロサンゼルス間片道飛行)よりも少ない量です。人により乳房を挟むときに少々痛むことがあるかもしれません。その場合は、ご遠慮なく撮影技師におっしゃってください。

A乳房超音波検査
 仰向けに寝た状態で乳房の表面にゼリーを付けて超音波で乳腺全体を検査します。この検査は全く痛くありませんし、レントゲンも出ませんので身体に負担がありません。しかも、5mm以上の大きさであれば、かなりの確率で乳がんを発見することが出来ます。

B穿刺吸引細胞診
 超音波検査で腫瘍が見つかったときに良性か否かを診断するため腫瘍に針をさして、細胞を採取して顕微鏡で検査します。針の太さは、点滴や採血をする針と同じ位の太さです。確実に針の先が腫瘍の中心部に刺さって細胞が取れるよう超音波で腫瘍の位置を確認しながら検査します。

C針生検
 腫瘍が乳がんかどうか。乳がんの場合、ホルモン療法やいろいろな抗癌剤に感受性があるかどうかなどを調べるときに、細胞診の針よりもやや太い針を刺してマッチの軸よりやや細い位で10mmの長さの組織を一瞬で抜き題すことが出来る検査法です。あらかじめ局所麻酔を行いますのでほとんど痛くありません。もし痛いとしても、一瞬の間だけです。通常、続けて2回行うことにより、2本の組織を取り出します。

D乳房MRI
 乳房の画像診断に関しては一番詳しい検査です。他の検査法では発見できない小さな乳がんが診断できます。また、乳がんの乳房の中での広がりも詳しく分かります。うつ伏せになって30分程寝ていなければなりません。造影剤を使いますので喘息発作がある人は行えません。また、パニック障害のある人も検査に不向きと考えられています。

ECT検査
 乳がんが一番転移しやすいところは、脇の下のリンパ節です。他には肺、肝臓などです。CT検査を行えば、これらの転移の有無が分かります。

F骨シンシグラフィ
 アイソトープを注射して撮影をする検査です。乳がんはしばしば骨に転移します。骨シンチグラフィを行うと全身のどこの骨に転移していても診断することが出来ます。
■手術について
A)鏡視下手術
 内視鏡を用いると脇の下の傷のみからあらゆる乳腺の手術を行うことが出来ます。とくに乳房温存療法では、目立ちにくい傷で乳房の形もなるべく元の形に近くしながら、乳がんを完全に取り去ることが可能です。

B)同時再建法
 鏡視下手術で乳房温存療法を行う場合、乳がんを完全に切除するため乳腺を1/3以上取らざるを得ないことがあります。このような場合には、背中にある広背筋という筋肉および周囲の脂肪を内視鏡を用いて剥がして乳房の欠損部位に埋めると乳房の形をある程度保つことが可能です。この方法を広背筋脂肪弁による同時再建法といいます。

C)センチネルリンパ節生検
 乳がんの根治手術は通常腋窩リンパ節郭清を行いますが、郭清を行うと腕のリンパ浮腫などの後遺症が高率に発生します。センチネルリンパ節とは、最初に転移するリンパ節のことです。手術中にこのセンチネルリンパ節を取り出し、顕微鏡で転移の有無を調べて転移がなければ、郭清を省略します。

D)日帰り手術
 小さな乳がんは、局所麻酔の通院手術で根治可能です。
■スタッフ
医師名 役職 専門医・指導医ほか
 木下 一夫 部長